症状が現れにくい肝臓病
肝臓病と漢方
黙々と働く肝臓の仕事

肝臓の働きはとても多方面にわたり、その活動は生命を維持する上できわめて重要なものばかりです。そんな肝臓の働きはよく化学工場にたとえられます。

肝臓の主な働き

@胆汁を作る…胆汁は肝臓で処理された毒物や不要物の排泄や、脂肪や脂溶性のビタミンの吸収を助けます。
A栄養素の加工と貯蔵…三大栄養素の糖・タンパク質・脂肪が体の中で正常に効率的に使われるようにします。
B毒物の処理…体の中に入ってきた毒物を無毒化して命を守ります。
C血液の貯蔵…血管の中の血液の量を調節したり、鉄やビタミンの貯蔵もしています。
D止血に必要な血液凝固因子を作る。
E不要な赤血球やホルモンの処理。

沈黙の臓器が悲鳴を上げるとき
肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、肝臓の障害がかなり進行していても症状が現れないことが多いものです。「肝臓の調子が悪い」というシグナルが出ているようなら、早めに検査を受けたり生活習慣を改善したりと何らかの手を打っていきましょう。
肝臓病の自覚症状
◇食欲不振  ◇倦怠感  ◇発熱
◇悪心・嘔吐  ◇腹痛  ◇腹部膨満感  ◇便秘・下痢
◇顔面や背中などにクモ状の血管腫ができる  ◇腹水
◇黄疸(白目や皮膚が黄色くなる)  ◇出血しやすい
など

肝臓の病気
◆ウイルスによる急性肝炎・慢性肝炎
(肝臓の病気の80%はウイルス性肝炎です)
◆アルコール性肝障害  ◆薬剤性肝障害
◆脂肪肝  ◆肝硬変  ◆肝ガン
肝臓病といわれたら

肝臓病の治療で何より大切なのは「安静と栄養」です。肝臓は手術でその一部を切り取っても、また元に戻ってくるほど再生力の強い臓器です。肝臓病を根治する治療法は今のところありませんので、この「再生力」を養うことが肝臓病の治療のポイントです。

安静

肝臓に流れる血液の量は、体を横にしているときの方が増加します。肝臓に血液が流れやすくなると、栄養分も肝臓に届きやすくなり、傷ついた肝臓が早く回復しやすくなります。特に、肝臓が働く食後は少なくとも30分は横になりましょう・

栄養

高タンパク、高ビタミン、高カロリーが基本です。
このとき、いろいろな食品をバランスよくとることが大切です。1つだけたくさんとっても効果がないばかりでなく、新陳代謝がうまくいかず、かえって有害になることがあります。肝臓に負担をかけるアルコールやタバコは止めカフェイン飲料もとりすぎないようにしてください。

慢性の肝臓病では十分な治療効果が得られる西洋薬がまだあまりなく、漢方薬が応用されるようになりました。漢方には西洋医学でいう「肝臓障害、肝疾患」などのとらえ方はありません。しかし、中国医学の古典的書物には、西洋医学で言う黄疸やアルコール性疾患などを連想させる説明が記載されています。現在の漢方療法は、ここに記載されている処方を参考にして選ばれています。(漢方薬も薬です。服用前には漢方に詳しい医師や薬剤師にご相談ください)

よく使われる処方

小柴胡湯 大柴胡湯 補中益気湯 人参栄養湯
  柴苓湯 十全大補湯 など
 

よく使われる薬草

霊芝 ウコン 連銭草(カキドオシ)
(カラワラヨモギ) クコ スギナ ドクダミ
トチュウ アロエ など

田七人参

肝臓病への代表的な薬草です。肝臓病の特効薬として有名な中国薬「片仔廣」の成分の約85%が田七人参です。田七人参の様々な成分の中でも、特にインターフェロンを誘発する有機ゲルマニウム含有量は朝鮮人参の1.5倍もあると言われています。肝臓病以外にも自律神経失調症、各種婦人病、胃腸障害などにも幅広く応用され、医療現場でも注目を集めています。

肝臓病は完治させるのが難しい病気です。でも肝臓の再生力を高め、再発させないような健康な体づくりは漢方や栄養療法、生活習慣の改善で目指していけます。是非一度ご相談下さい。
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